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特集花をもっと自由に楽しむフラワーベース Flower Vases to Enjoy Flowers More Freely

ふとしたときに、道ばたの草花や花屋の店先が気になることはありませんか。
部屋に花を飾りたくなる、そんな気分が自然と湧いてくることがあります。
花を飾ろうと思ったとき、まず考えるのは、飾りたい花に合うフラワーベースを探すか、
それともお気に入りのフラワーベースを先に選び、そこから花を考えるか。
どちらも、ささやかな楽しみのひとつです。
今回は、フラワーベースを先に選ぶことから始まる楽しみに寄り添いながら、アート感あふれるものをセレクトしました。
器のかたちや色、素材の表情を手がかりに、花を自由に組み合わせてみる。
花を少しクリエイティブに楽しむための提案です。

光と色をたたえる、手仕事のガラスベース
Henry Dean
VOLGA

ベルギー発のフラワーベースブランド<Henry Dean>は、ただ花を活けるための器ではありません。そこに置いた瞬間から空間に彩りをもたらし、静かに視線を引き寄せるガラスのオブジェです。
1972年、デザイナーのヘンリー・ディーンが「ガラスという素材そのものの魅力をどうかたちにするか」という視点から生み出したこのブランド。旅や読書、モダンアートから得た感覚が重なり合い、主張を抑えながらも印象に残るフォルムが形づくられてきました。
制作は、熟練の職人たちの手によって一点ずつ丁寧に行われています。吹きガラスならではのわずかな揺らぎや厚み、光を受けたときに生まれるやわらかな陰影、角度によって表情を変える色合いは、手仕事だからこそ生まれるものです。手に取ると、ほどよい重みとともに、ガラスのやさしい質感が伝わってきます。

主原料にはリサイクルガラスを使用。奥行きのある発色や、内部に閉じ込められた小さな気泡は、一点ごとに異なる表情となり、「同じ形でも同じものがない」特別な佇まいを生み出します。

また、ロシアのイヴァニシ・ガラス工場で一点ずつハンドメイドされる<VOLGA>のフラワーベースは、彫刻のように印象的なフォルムが魅力です。花を生けなくても、それだけで視線を引き寄せる存在感があります。
いずれも、花を添えることでいっそう美しく、同時に、器そのものが光や色を映し取り、空間にやわらかな変化をもたらしてくれます。ガラスという素材の豊かさと、手仕事の繊細さを感じながら楽しみたいフラワーベースです。

【Henry Dean / ヘンリーディーン】花瓶 V.Stromboli XS ストロンボリ / アクアレルアンバー【Henry Dean / ヘンリーディーン】花瓶 V.Pipe S パイプ / ミント【Henry Dean / ヘンリーディーン】花瓶 V. Grass S グラス / アクアレルアンバー【VOLGA / ヴォルガ】SVALIN VASE S 花器 / 乳白【VOLGA / ヴォルガ】花瓶 ROUND VASE / ブルー

用途をずらすことで生まれる、新しい花器のかたち
Hender Scheme

<Hender Scheme>の「science vase:化瓶」は、理科実験器具という既存の工業製品にレザーという手工業の素材を組み合わせることで、その機能や意味を更新するユニークなプロダクトラインです。
フラスコや試験管といった匿名性の高いガラス器具に、ベジタブルタンニンレザーを重ねることで、実験のための道具はフラワーベースやオブジェへと役割を変え、使われる場所も実験室から居室へと移っていきます。
本来は無機質で均質なはずの実験器具に、使い込むほどに色や質感が変化するレザーが加わることで、時間とともに表情が変わっていく点もこのシリーズの魅力です。
花を飾るためにつくられた器ではなく、道具の意味そのものを更新することで生まれたフラワーベース。花を挿すだけで、見慣れているはずの景色がほんの少し違って見えてきます。

【Hender Scheme / エンダースキーマ】化瓶:Beaker 花器 1000ml

景色の一部として佇む、一輪のためのガラス
fresco

大阪府和泉市を拠点とするガラス工房 <fresco> は、ガラス作家・辻野剛氏によって設立されました。20年以上にわたる制作の中で、素材そのものの表情や個体差を生かしたものづくりが続けられています。
2024年から始まった企画「季節の一輪。frescoのガラス。」では、日常にそっと花を取り入れるための一輪挿しが隔月で発表されています。

「1.9m」は、京都・龍安寺の石庭を囲む土塀の高さに由来するシリーズ。
座ったときの視線の高さに設計された庭の構造から着想を得て、器と周囲の景色との関係性を意識した造形となっています。
庭先で見つけた枝や実を飾り、器を含めてひとつの風景として成立するように考えられた一輪挿しです。

一方「punto」は、やわらかなガラスが垂れた雨粒のようなフォルムが特徴。大小さまざまなサイズがあり、いくつか並べるだけでも軽やかなリズムが生まれます。
また、fresco productsの制作に用意された色を用いた、豊かなカラーバリエーションも魅力のひとつ。窓辺やデスクに置くだけでも空間にやわらかな変化をもたらし、一輪を添えることでその印象がさらに広がっていきます。ガラスの色や光の表情を楽しめる、frescoならではのシリーズです。

一見すると個性的なかたちや質感のフラワーベースも、
そのひとつひとつに、素材や技法、つくられた背景があります。
そうした視点から器を選ぶことで、花の合わせ方も、飾り方も、より豊かになっていく。
花を飾るための器でありながら、そこに置くだけで空間の印象を変えてくれる存在。
お気に入りのフラワーベースを起点に、自分なりの花の楽しみ方を見つけてみてください。

Edit & Text: Paragraph ltd. / Photo: Yuco Nakamura

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