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2014.11.04
Koya / Katsunori Yaoita



Koya / Katsunori Yaoita
小屋 / 矢尾板克則
4 TUE. NOVEMBER - 25 THU. DECEMBER 2014
11月4日(火)- 12月25日(木)
「小屋」は新潟・長岡で作陶する陶芸家・矢尾板克則の作品で、土の陶板でつくられています。
農作業や大工仕事のために、必要な道具を入れるものとして建てられ、雨風にさらされ、風化し無垢
な美しさを放つ小屋。
矢尾板氏の「小屋」は、見る人それぞれの心象風景や懐かしい記憶を呼び起こします。
ご自分だけの小屋をぜひ見つけにきてください。
'Koya' is a collecMon of porcelain panel pieces made by Katsunori Yaoita, a ceramic arMst based in Nagaoka, Niigata Prefecture. Koya is a weathered hut with a plain beauty, built to store tools necessary for farm work and carpentry. For each member of the audience, Yaoita’s work is designed to recall their imagined landscapes and nostalgic memories. We hope you are able to find a personal 'koya' for yourself.
ものがたりを語りかけてくる
小屋にはさまざまな存在理由があるが、大半は農作業や大工仕事のために、必要な道具を入れるものとして建築されることが多い。雨風にさらされ、風化していくその姿は、無垢な美しさを放っている。
新潟・長岡で作陶する陶芸家・矢尾板克則氏の作品「小屋」を眺めていると、
さまざまな想いがつきづきと寄せてくるから不思議だ。
子供の頃に遊んだ公園のジャングルジムのてっぺんで、ふと、孤独を感じたことや、夕暮れの帰り道に友達と別れたあとのせつなさ・・。懐かしい風景とともに忘れていた感情がよみがえってくる。
雨風のなかにひっそりと立つ小屋は、わたしたちの心象風景のなかに確かに存在している。矢尾板さんが土の陶板でつくる小屋の姿に胸が締め付けられるのはそのせいなのかもしれない。心のなかにあるやわらかな手触りのある記憶を「ものがたり」と呼んでみる。「ものがたり」はあくまで個人的なストーリーだが、おそらく小屋の姿に投影されるのは、心の深い場所にしまってあるものたちだろう。効率や情報を追い求めるのはやめて、いまふたたびそのことを想い出そう。小屋がそう語りかけてくる。
(テキスト: 祥見知生)
矢尾板克則 プロフィール
1969年新潟県生まれ。
1991年武蔵野美術短期大学陶磁科卒業。山本幸一(熊本)に師事、1995年新潟県長岡市にて製作活動開始。
1998年日本クラフト展優秀賞、1998年日本クラフト展優秀賞、2000年ビアマグランカイ佳作賞。
個展 桃居(東京)、ギャラリー炎舎(新潟)、 FUURO(東京)、うつわ祥見(鎌倉)など多数。