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2025.3.14

Behind The CASE:石黒 幹朗「いきている作品をつくりたい」

Shigehiro Kadena

Behind the CASE
いきている作品をつくりたい
石黒 幹朗 |Ishiguro Mikio

目が合う。彼の作品との出会いは、そんな感覚に近いかもしれません。普段は周りの景色に溶け込んでいながらも、ふと意識を向けた瞬間に目が離せなくなる静かな存在感。京丹波に暮らしの拠点を移してから10年、圧倒的な自然から受ける今も薄れることのない新鮮な日々は、創作の源として、とても純粋なまま作品へと昇華されます。

石黒 幹朗「黒を孕む」

石黒 幹朗|Ishiguro Mikio

兵庫県西宮市出身。 2015年に京丹波町へ移住し、妻である石黒由枝と共にレザーブランドlogseeとしての活動を経て、現在は鹿皮や石、落ち葉等の素材を使い、自然と人工物の曖昧な境界を日々探求しながら創作活動を行っている。 LOEWE FOUNDATION Craft Prize 2025 ファイナリストに選出。

石黒 幹朗「黒を孕む」
Shigehiro Kadena
Shigehiro Kadena
Shigehiro Kadena
Shigehiro Kadena

皮の美しさを知ってもらいたいという純粋な思いを伝える手段として、制作を行っているという石黒さんの作品は、森の中の時間がそのまま息づいています。
木の木目や、道端に咲いている花を美しいと感じることと同じように、特別ではなく日常の中にあるものに目を向ける。
その眼差しから生まれる作品は、忘れ去られてしまった素朴でありながら本質的なものを、身体の奥底から静かに呼び戻してくれるような大らかな自然の気配を纏っています。
猟師からいただく野生動物の鹿皮は、年齢や雌雄、生育環境によって異なる皮膚の色や厚み、大きさ、毛質など、いつどんな状態で来るか想定することはできません。傷や血跡が残っているものも、生きてきた過程として粗野な表情をありのままに残し、少しだけ人の手を加えることで美しいと思えるものに「整える」ことに意識を向ける。あとは人がコントロールしきれないものの先にある造形や表情に委ねることで、おのずと人と自然が心地よく溶け合う接点が生まれるのです。

Shigehiro Kadena
Shigehiro Kadena

作家としての活動をはじめた頃から用途を設けない「曖昧な存在」であることを軸に置く石黒さんは、ひとつのことを突き詰める職人と同じように、「曖昧性」の純度を深堀していきたいと話します。
人によって様々な捉え方があり、写真や情報だけでは受け取りきれない、生身でしか感じられないものの正体は、その真意が込められているからかもしれません。
そして目には見えない何か意識に引っかかるものや、言葉にすると取りこぼしてしまうようなものが、作品と対峙する距離を近付けるのだと感じます。

Shigehiro Kadena

石黒さんの展示は、まず会場となる場所の環境を観察することから始まります。
CIBONE CASEには2年程前に来ていただいた時に、「白の中に黒い物体が並ぶ」というキーワードをいただきました。
タイトルに「はらむ」という内側にふくみ持つことを指す言葉を用いたのは、彼の作品には内包的な魅力があり、森から遠く離れた都会の人工的な白い空間の中において命の痕跡を残した黒の存在が相対的な意味を持つと感じたからです。これまで生成りの皮を生かした作品を多く制作されてきましたが、今回は黒にフォーカスすることによって内臓物のテクスチャーが際立ち、よりひとつひとつの個体に対して深く入り込めるような展示を目指しました。
人も皮膚という膜で包まれていて、身体の中にある臓器や細胞もまた、膜で包まれている。いきものは膜の連続であると考える石黒さんにとって、鹿皮で自然物を包むという行為は「いきもの的なもの」を生みだすことであり、一見、違う作品をつくっているようでその連鎖からの派生はこれからも続いていくことでしょう。

Behind The CASE

人と物をつなぐ空間、CIBONE CASE。

大切な誰か、特別な日常への想いが詰まった箱であり、そこに並べられた物によって新たな感情を引き出す糸口にもなる空間。人、物、文化、時代とのコミュニケーションを生む、日常とは少し異なる時間、空間、感覚を経験できる場所です。

国内外のクリエイターのプロダクトや現代の日本のものづくりなど、ジャンルにとらわれず自由な切り口で集められた独自の魅力を放つ物たち。その物の持つストーリーや、作り手によって込められた想いをご紹介していきます。

CIBONE CASE

104-0061 東京都中央区銀座6-10-1
GINZA SIX 4F

OPEN 10:30-20:30
TEL 03-5537-3101

Shigehiro Kadena

> PRESS お問い合わせ (株式会社ウェルカム CIBONE広報担当)