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2021.03.03
CASE: 36 流麗なもの Ryuji Iwasaki

CASE: 36
流麗なもの
Ryuji Iwasaki
- 開催: CIBONE CASE (GINZA SIX 4F)
- 最終日の展示は17:00まで
岩崎龍二のつくるうつわは、日々私たちが感じる、時の移ろいのように、目で愛でることのできるうつわだと思います。
ふと、豊かな暮らしとは、私たちの周りに起こっている些細な変化をいかに気づき感じることができるかという点が大きく作用するのではないかと考えたことがあります。
日の長さの変化、花や草木の色づき、空の青、宵の深さ、四季の色どり、季節の食材の持つ色、これらは、自然が与えてくれるよどみのない美しさの一端であるでしょう。
岩崎龍二のうつわや花器の持つ色の美しさを見ていると、そういった日常を見渡せば幾通りもある色の持つ美しさが、時間の流れを少しゆるやかに感じさせ、豊かな暮らしへの視野を広げてくれるということに気づかされる気がします。
まさに彼の作品の持つ色は、それらに劣ることのない流麗さを持っていると私たちは思います。
毎日訪れる日々を、足早に過ごすことではなく、立ち止まって前を向き、日常に感謝をし、そして日常から活力を得ることのできる、そう思わせてくれる、希少な力を持つうつわであると思います。
- 岩崎龍二
- 1980年大阪府生まれ。2000 年大阪美術専門学校卒業。2012 年大阪府富田林市にアトリエを構える。磁器でありながら、しっとりとした手触りの心地よく、FENDI OMOTESANDOの展示を含め、極めて美しい花器を制作し、注目を集める。


伝統工芸の世界で20年のキャリアを重ね、様々な賞を受賞してきた陶芸家・岩崎龍二さんは、あるとき、観賞用ではなく、使ってもらうための“うつわ”をつくりたいという気持ちを強くし、うつわ作家として仕事を始められました。めし碗や湯呑、マグカップ、そして皿。つくられるのはごく当たり前のうつわです。
けれど、彼がつくるうつわはこれまで見たことのないような魅力にあふれていました。目が覚めるような色の美しさと、触ったことがないような感触。五感を通じて訴えかけてくる岩崎龍二のうつわは非常にドラマテックであり、新鮮な驚きをもって多くの人に迎い入れられたのです。
誠実な作り手の手から生まれるものは、表面の美しさだけではありません。うつわの良さは、手や目を通じて、繰り返し、使う方の心に深く届くものです。毎日の食卓が見直される現代に、気に入ったうつわと暮らす喜びを感じられる方がどれだけ増えたことでしょう。どこかにあると信じた幸せが自分の手のなかにあった、そんな寓話を思い出すほどに、うつわというものが改めて見直される時代なのかもしれません。“うつわ作家・岩崎龍二”の登場を、いま、喜びたいと思います。
企画協力:祥見知生 うつわ祥見KAMAKURA
> PRESS お問い合わせ (株式会社ウェルカム CIBONE広報担当)